薬剤師として働く場を選ぶ際、「大手調剤チェーン」と「個人薬局」のどちらが自分に合っているのか迷う方も多いでしょう。それぞれの働き方には特徴やメリット・デメリットがあり、自分のライフスタイルや価値観に合わせて選ぶことが大切です。本記事では、大手調剤チェーンと個人薬局の働き方の違いについて詳しく解説します。
1. 大手調剤チェーンの特徴
大手調剤チェーンは全国展開している企業が運営する薬局です。規模の大きさを活かした経営や、統一された教育体制が特徴です。
メリット
• 研修制度が充実
大手調剤チェーンでは、新人教育やキャリアアップのための研修が充実しています。薬剤師としてのスキルを基礎から学びたい人にとって、恵まれた環境と言えます。色々とマニュアル化しているので教える側が「各々言ってることが違う」なんてことは少ないです。
例:調剤技術の研修、病態や薬剤の知識向上を目的としたセミナー、リーダーシップ研修など。
• 安定した給与と福利厚生
社会保険、住宅手当、育児支援制度などが整備されている場合が多く、長く安定して働きたい人に向いています。特に、全国規模の企業では転勤や異動によってキャリアの幅を広げられることも魅力です。従業員が多いのでパートでも20時間で社保のところが多いです。
• 薬局業務が効率化
システム化された在庫管理や調剤機器の導入が進んでおり、業務が効率的に進められます。調剤以外の業務負担が軽減されることもあります。最新機器も取り揃えているので、新しいもの好きの方にとっては面白いかもしれないですね。
デメリット
• ノルマや売上目標がある場合も
大手チェーンでは、店舗ごとの売上目標やジェネリック推奨率などの数字が課されることがあります。これがストレスになる方もいるでしょう。かかりつけ薬剤師など加算が取れるものは必ず取ってくださいと言われることもしばしば。
• 転勤の可能性
全国展開している企業の場合、転勤や異動が避けられない場合もあります。地域に根付いて働きたい人にはデメリットになるかもしれません。
2. 個人薬局の特徴
個人薬局は地域に根ざした経営をしている薬局が多く、経営者や働くスタッフとの距離が近いことが特徴です。
メリット
• アットホームな職場環境
個人薬局はスタッフ数が少ないことが多く、職場内でのコミュニケーションが密接です。患者さんとの距離も近く、顔なじみの患者さんが増えることでやりがいを感じられる場面が多いでしょう。スタッフ内のコミュニケーションも密接なことが多いので話が合うと休憩中も楽しいです。
• 柔軟な働き方が可能
経営者と直接相談できるため、勤務時間やシフトの調整が比較的柔軟です。小さなお子さんがいる方や時短勤務を希望する方には向いている職場もあります。服装や髪型もそこまで厳しくない所が多いと思います。
• 幅広い業務経験が積める
個人薬局では、調剤業務だけでなく在庫管理、薬局の運営補助、時には経営に関わる業務を経験することもあります。幅広いスキルを身に付けたい人に向いています。
デメリット
• 教育制度が整っていない場合も
小規模な薬局では、大手チェーンのような体系的な研修プログラムがない場合があります。自分で積極的に学ぶ姿勢が求められるでしょう。
• 業務が忙しい場合がある
少人数で運営しているため、繁忙期などには一人ひとりの業務負担が重くなる場合もあります。忙しさゆえに新入りだと一時放置されることもあります。
• 設備投資が限られる
大手と比べて設備投資の余裕が少ないため、調剤機器やITシステムが最新ではない場合もあります。私の主観ではありますが休憩室も狭い所が多い気がします。
3. 自分に合った働き方を見極めるポイント
それぞれの特徴を踏まえた上で、どちらが自分に合っているかを判断する際に、以下のポイントを考えてみてください。
キャリアの方向性
• 専門性を深めたい、研修制度を活用したい → 大手調剤チェーン
• 地域密着型の仕事をしたい、幅広いスキルを身に付けたい → 個人薬局
働き方の柔軟性
• 安定した給与や福利厚生を求める → 大手調剤チェーン
• シフトや勤務時間の融通が利く職場を求める → 個人薬局
転勤の可否
• 転勤が可能 → 大手調剤チェーン
• 地元で腰を据えて働きたい → 個人薬局
4. 実際の職場の雰囲気を知る重要性
求人票だけでは、実際の職場環境や働き方の詳細はわかりません。
• 職場見学を依頼して、スタッフや患者さんの様子を確認しましょう。
• 転職エージェントを活用して、口コミや内部情報を聞くのも効果的です。
まとめ
大手調剤チェーンと個人薬局は、それぞれ異なる働き方や魅力があります。
「どんなキャリアを目指したいのか」「自分のライフスタイルに合うのはどちらか」を考え、慎重に選ぶことが大切です。大手と個人どちらも経験した私でも未だに迷うところはあります。住んでる地域にもよりますよね。
どちらを選ぶにせよ、自分の価値観や希望に合った職場で働くことが、長く充実した薬剤師人生につながります。ぜひ、自分にとって最適な選択をしてください!